
花粉症と聞くと、春のイメージがあるかもしれません。
実際、日本で花粉症の患者数がいちばん多いのは、春に猛威をふるうスギ花粉です。
しかし、秋も油断してはいけません。ブタクサ花粉、イネ花粉といった、秋に流行する花粉症があります。
これらの花粉は、春の花粉とは異なった特徴があります。
そのため、春のときとは異なる予防法が、秋の花粉に効果的なこともあります。
今回は、秋の花粉症について、基本的な点に触れつつ、予防法をじっくりご紹介していきます!
もくじ
秋の花粉症とは?
秋の花粉症の代表格は、以下2つの植物の花粉です。
キク科植物の花粉
ブタクサやヨモギなどの花粉が該当します。
とくに、ブタクサ花粉は、秋の花粉症のなかでも、最も患者数が多い花粉です。
ブタクサの原産国アメリカでは、全人口の5~15%は、ブタクサ花粉患者といわれています。
日本においても、スギ花粉、ヒノキ花粉に次ぐ患者数の多さで、多くの方が悩まされています。
花粉の飛散時期は8月から10月までで、ピークは9月に入ってからです。
なお、ブタクサに似ていて、よく間違われる、「セイタカアワダチソウ」という植物が存在します。
以下の画像の植物です。
黄色くて、いかにも花粉を飛ばしそうですが、セイタカアワダチソウは花粉症の原因とはなりません。
花粉症予防のためには、ブタクサがどのような姿の植物かを、把握しておく必要がありますので、ぜひ覚えておきましょう。
イネ科植物の花粉
カモガヤやイネ、麦、オオアワガエリなどが該当します。
飛散時期は、5月から10月までと、広範囲になります。
というのも、花粉症の原因となるイネ科の植物は、数が多く、それぞれ異なったピーク時期をもつからです。
秋の花粉症を予防する7つの方法
秋の花粉症予防に効果的な7つの方法を、これよりご紹介していきます。
これらのポイントを意識しながら、花粉症対策をすすめていきましょう。
1.近づかない
秋の花粉症対策で最も有効なのが、花粉の原因となる植物に「近づかない」ことです。
というのも、秋の花粉症の原因となる植物は、春の花粉症の代表格である、スギやヒノキなどと比べて、背丈が低いものが多いのです。
このため、花粉の飛散距離が短く、せいぜい数百メートル程度と言われています。
したがって、「近づかない」という、単純な行動が、とても効果的です。
ブタクサなどは、河川敷や道端に群生していることが多いです。
また、イネの場合は、当然、田んぼに生息しています。
これらの場所に、なるべく近づかないようにすることで、花粉によるダメージを軽減することができます。
2.花粉防止グッズの利用
「近づかないこと」が大切・・・とはいえ、どうしても花粉発生源を通らなければならないシーンはあります。
たとえば、通勤・通学路の近くに、ブタクサなどが群生しているケースなどです。
こういった場合には、花粉防止グッズを利用しましょう。
たとえば、河川敷などを通る際には、マスクを着用してみましょう。
また、花粉防止メガネの着用も効果的です。
定番中の定番な対策ですが、やはりマスクやメガネは効果的です。
マスクに抵抗がある方には、鼻に塗るタイプや、スプレーをするタイプの薬などもおすすめです。
また、花粉防止スプレーも、数多く販売されています。
これらのグッズを利用して、花粉の侵入を防ぎましょう。
3.帰宅時に、玄関などで花粉を落とす
外を歩くと、知らないうちに、花粉が服に付着していることが多いです。
帰宅時には、玄関などで服・コートをはらうなどして、花粉を落としてから、家の中に入りましょう。
また、服に花粉をつきにくくする花粉ブロックスプレーなども市販されていますので、うまく利用して花粉の侵入を防ぎましょう。
4.手洗い、うがい
帰宅したら、すぐに手洗いをして、花粉を落としましょう。
また、うがいをすることにより、鼻を経由して喉に流れ着いた花粉を除去することができます。
5.お風呂に入り、花粉を洗い落とす
帰宅したら、なるべく早くお風呂に入るのがおすすめです。
こうすることで、髪や体に付着した花粉を洗い流すことができます。
なお、このとき、シャワーだけで済ませるよりも、しっかりと湯船に浸かったほうがよいです。
湯船に浸かることで、以下のようなメリットがあります。
鼻づまりの一時的な解消
湯船に浸かることで、空気を吸い込むたびに、温かい空気が鼻の気道を通ることになります。
すると、気道が適度に湿気を帯び、鼻づまりの一時的な改善が期待できます。
疲労回復・リラックス効果
花粉症などのアレルギー反応は、ストレスや疲労によって、症状が発現したり、悪化したりします。
お風呂で湯船に浸かると、自律神経のうち、気持ちをリラックスさせる副交感神経が優位となり、体がリラックスします。
また、血行もよくなるため、疲労回復効果も得られます。
それに伴い、花粉症のアレルギー症状の沈静化が期待できます。
湯船に浸かる際は、お湯の温度は38~40℃程度のぬるま湯にしましょう。
42℃以上を超えると、くしゃみやかゆみの原因物質であるヒスタミンができてしまい、症状がひどくなる可能性もあります。
また、高温だと、自律神経のうち、覚醒作用のある交感神経が優位となってしまい、リラックス効果が薄れます。
湯船に浸かる際は、温度に気をつけながら、ゆったりと楽しみましょう。
6.家の中での対策
これまでの対策をしっかり実践したとしても、すべての花粉の侵入を完璧に防げるわけではありません。
家の中に入ってしまった花粉を除去するために、以下、しっかりと実践しましょう。
こまめな掃除
なるべくこまめに掃除をして、家の中の花粉を取り除きましょう。
とくに、床掃除は大切です。しっかりと掃除機をかけましょう。
フローリングの場合は、拭き掃除をすると効果的です。
なるべく、窓を閉める
秋の花粉症の場合、飛散距離が短いので、春の花粉のときほど神経質にならなくてよいとは思います。
ですが、もし、ご自宅の近くにブタクサなどが群生している場合は、注意が必要です。
このような場合は、換気など、必要なとき以外は、窓を閉めておきましょう。
ただし、暑い時期の場合は、室温が高まると、脱水症状や熱中症になるリスクがあります。
窓を閉め切るときは、しっかりとクーラーなどをつけて、室温が高くなりすぎないようにしましょう。
7.免疫力を高めておく
花粉症などのアレルギー反応は、体の免疫力が低下すると、発現したり、悪化しやすくなります。
したがって、普段から免疫力を高めておくことが、有効な花粉症対策になります。
- 充分な睡眠
- 規則正しい生活
- 栄養のある食事
- 適度な運動
などを意識し、普段から免疫力を高めておきましょう。
花粉症だけではなく、すべての病気に対して有効です。
食事については、以下の記事で、花粉症予防に効果的な食べ物を紹介しています。
こちらも、参考にしてみてください。
症状がひどいときは病院へ
花粉症の症状がひどいときや、なかなか治まらないときは、早めに病院に行き、医師の診察を受けましょう。
点眼薬、点鼻薬、内服薬など、症状にあわせたお薬が処方されますので、正しく服用し、症状改善につとめましょう。
まとめ
今回は、秋の花粉症の予防方法を中心に、ご紹介しました。
「君子危うきに近寄らず」という有名な言葉がありますが、秋の花粉症予防には、まさにこれが当てはまると感じました。
とはいえ、全く近づかないようにすることは不可能なので、花粉防止対策など、花粉を取り込まないようにする工夫が大切です。
しっかり対策をして、実りの秋を楽しみましょう!
花粉症対策には、↓こちらの記事もおすすめです。 花粉症に効く食べ物