
「最近、疲れがとれなくて・・・」
「よくわからないけど、なんだかだるい・・・」
その症状、もしかしたら肝臓に原因があるのかもしれません。
不規則な生活や大量のアルコール摂取などは、肝臓に大きな負担をかけてしまいます。
生活パターンを振り返ってみると、肝臓に負担をかけているシーンは多いのではないでしょうか?
残業、飲み会、運動不足・・・などなど。
とはいえ、この過酷あふれる現代社会、「肝臓に負担をかけるな」というほうが無理な話です。
・・・とはいえ、少しでも負担を減らしたいところですよね。
今回は、肝機能を改善する食べ物を中心にご紹介していきたいと思います。
少しでも肝臓の負担を減らし、健康に過ごしていきましょう!
もくじ
肝臓のはたらき
まずは、肝臓のはたらきについて押さえておきましょう。
肝臓は「体内の化学工場」と呼ばれるほど、さまざまなはたらきをしています。
栄養の代謝・貯蓄
食べ物などから摂った糖質・たんぱく質・脂質を、わたしたちのからだが吸収できる形に変換します。
そして、変換した栄養を貯蓄し、必要なときに供給できるようにしています。
解毒作用
アルコールやニコチン、老廃物などの有害物質を解毒し、からだに影響が出ないようにしています。
胆汁生成・分泌
脂肪の消化・吸収に必要な胆汁を生成・分泌しています。
沈黙の臓器
肝臓は他の臓器と異なり、自力で再生ができます。
少しくらい肝細胞が破壊された程度なら、自己修復してしまいます。
一見すると、これは素晴らしいメリットではありますが、反面、症状の悪化に気づきにくいというデメリットにもなります。
肝細胞の修復が追いつかないくらい症状が悪化した段階で、はじめて自覚症状が現れる可能性もあるので、やっかいなのです。
このため、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることがあります。
症状の悪化を自覚することが難しいので、定期的に健康診断を受ける等、チェックしていくことが大切です。
肝機能が低下すると・・・
以下、おもな肝機能低下の症状です。
- 身体のだるさ、倦怠感
- 食欲不振
- 不眠
- むくみ
- 皮膚や眼が黄色くなる(黄疸)
- 手のひらが赤くなる
これらの症状が出ている場合は、肝臓が悲鳴をあげている可能性があります。
思い当たる節がある方は、医師のチェックを受けてみることをおすすめします。
肝機能を改善する成分と食べ物
それでは、これより肝機能を改善する成分と、それを多く含む食べ物をご紹介していきます。
たんぱく質
たんぱく質は、肝細胞の再生に欠かせない成分です。
なかでも、体内で吸収されやすい良質なたんぱく質を摂ることが大切です。
たんぱく質を含む食べ物
- 魚介類
- 肉類
- 大豆製品
- 乳製品
- 卵
PICK UP! 魚介類
魚介類には、たんぱく質が豊富に含まれています。
そのうえ、体内で吸収されやすいつくりになっています。
青魚は、DHA・EPAも豊富ですので、肝機能の強化にもってこいです。
タウリン
タウリンはアミノ酸の一種です。
栄養ドリンクのCMなどで、耳にすることも多いのではないでしょうか。
タウリンには肝臓によい効果がいっぱいです。
- 肝細胞の再生
- アルコール分解のサポート
- 脂肪肝の改善
タウリンは、魚介類、とくにイカやタコ、貝類に多く含まれています。
タウリンを含む食べ物
- 魚類
- イカ
- タコ
- 貝類
DHA・EPA
DHA・EPAは、青魚の脂肪などに多く含まれる脂肪酸です。
DHAは「頭をよくする成分」としても有名です。
DHA・EPAは、血中のコレステロールや中性脂肪を低下させるはたらきがあります。
脂肪肝の予防や、肝臓の負担を軽減する効果が期待できます。
また、国立がん研究センターの調査によると、EPA・DHAといったオメガ3不飽和脂肪酸を含む魚を多く食べる人は、肝がんのリスクが低いそうです。
DHA・EPAは、マグロやイワシ、サンマなどの青魚に多く含まれています。
DHA・EPAを含む食べ物
- 魚介類(青魚)
抗酸化ビタミン
肝臓は先述のとおりさまざまな働きをしていますが、その過程で、多くの活性酸素が発生してしまいます。
活性酸素は、細胞などを錆びさせてしまうため、除去しないと肝臓がダメージを受けてしまいます。
この活性酸素を除去するはたらきを持つのが、「抗酸化ビタミン」と呼ばれているビタミンです。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが、その代表です。
バランス良く食べることで、肝臓への負担を減らしましょう。
ビタミンAを含む食べ物
- 緑黄色野菜
- レバー
- うなぎ
- 卵
PICK UP! にんじん
緑黄色野菜のなかでも、にんじんにはβカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは、体内で必要分がビタミンAに変換されます。
免疫力の向上にも効果的です。
ビタミンCを含む食べ物
- 緑黄色野菜
- 果物
PICK UP! ピーマン
ピーマンは緑黄色野菜のなかでも、ビタミンC含有量がトップクラスです。
加熱にも強く、効率的にビタミンCを摂取できます。
ビタミンEを含む食べ物
- 種実類
- 魚卵
- 油
PICK UP! アーモンド
アーモンドなどの種実類は、ビタミンEが豊富です。
おやつにアーモンドをひとつまみするのもいいですね。
肝機能を低下させないために
肝臓に良いものを食べていても、普段の過ごし方がマズいと、せっかくの努力が台無しです。
気をつけるポイントをいくつかご紹介します。
お酒の飲みすぎはNG
お酒など、アルコールの飲み過ぎは肝臓に負担をかけます。
事実、肝炎や脂肪肝などの主な原因のひとつが、過剰なアルコール摂取といわれています。
日本人の約半数は、アルコール分解酵素の量が少なく、お酒に弱い体質だといわれています。
もちろん、個人差はありますが、お酒に弱いと感じる方は決して無理をせず、自分の体質に合った飲み方をしましょう。
適度な運動!
運動不足は、脂肪の蓄積や、血流の悪化をもたらし、その結果、肝臓に負担をかけてしまいます。
適度な運動は、脂肪の燃焼や、血行改善などといった効果をもたらします。
肝臓だけではなく、あらゆる健康効果が見込めますので、日頃から運動することを心がけましょう。
まとめ
肝臓は、さまざまな働きをしており、わたしたちが活動するうえで最も重要な臓器のひとつです。
肝臓の不調は、自覚することが難しく、気づいたときには深刻化していることがあります。
食べ物など、日々の生活習慣を見直しつつ、定期的に医師のチェックを受けることが、肝臓の健康を保つうえで大切です。
元気に毎日を過ごすためにも、肝臓にやさしい行動を心がけていきましょう!