
この記事では、鉄分を多く含む海藻を、ランキング形式で紹介しています。ランクインした海藻の解説もありますので、ちょっとした雑学にもなります。
今晩の献立や、海藻のお勉強(?)などに、ぜひお役立てください!
ランキング集計基準について
- 今回は、鉄分含有量の多い藻類を、上位20品目まで紹介しています。
- ランキングは、可食部100gあたりの鉄分量(mg)を基準に作成しています。
- ランキング作成にあたり、以下の文部科学省ホームページの資料を参考にしています。
日本食品標準成分表
それでは、ランキングスタートです!
もくじ
20位から11位まで
さっそくですが、20位から11位までを、いっきに見ていきましょう。
順位 | 食品名 | 量(mg) |
20 | てんぐさ 角寒天 | 4.5 |
19 | ふのり 素干し | 4.8 |
18 | (こんぶ類) みついしこんぶ 素干し | 5.1 |
17 | あおさ 素干し | 5.3 |
16 | てんぐさ 素干し | 6.0 |
15 | わかめ カットわかめ | 6.1 |
14 | ひじき ほしひじき ステンレス釜 乾 | 6.2 |
13 | わかめ 乾燥わかめ 板わかめ | 6.4 |
12 | えごのり 素干し | 6.8 |
11 | てんぐさ 粉寒天 | 7.3 |
以上、11位までのランキングでした。寒天などの原料となる「てんぐさ」のランクインが目立っていますね。てんぐさは食物繊維も豊富です。わかめや昆布など、おなじみの食材もランクインしていますね。
10位から1位までのランキング
それでは、これよりTOP10を、順番にご紹介していきます。ここからは、ランクインした海藻について、少し詳しく説明していきますね。
10位
10位にランクインしたのは、「あまのり(味付けのり)」です。朝食のお供としておなじみの、味付けのりがここでランクインです。
味付け海苔には、鉄分のほかに、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンKなどが豊富に含まれています。
9位
9位は、「刻み昆布」です。乾燥させた昆布を、糸状にカットしたものをいいます。「切り昆布」とも呼ばれています。
炒め物や煮物、漬物など、さまざまな料理で使われる、便利な食材です。
8位
8位にランクインしたのは、「ほそめこんぶ(素干し)」です。
ほそめこんぶ(細目昆布)は、北海道の日本海沿岸でとれる昆布です。じつは、日本の昆布の9割以上は、北海道で採取されています。
昆布漁がさかんな北海道において、古くから取られていたのが、今回ランクインしたほそめこんぶです。
粘り気が強いのが特徴で、9位にランクインした刻み昆布や、とろろ昆布、納豆昆布などの加工品に使われています。
7位
7位は、「あまのり(干しのり)」です。乾海苔とも呼ばれています。
干しのりは、海から取ってきた海苔をすき干ししたものをいいます。海苔特有の、磯の香りが強く、歯ごたえがあります。
この干しのりを、焼いたり、味付けしたものが、よくスーパーなどで並んでいます。10位の「味付け海苔」は、その代表ですね。
最近は、干し海苔をそのまま販売する店は減ってきていますが、干しのりを料理に使う風習のある地域や、独特の風味や食感を好む方もいらっしゃいます。
6位
6位にランクインしたのは、「まつも(素干し)」です。冬から春にかけて、おもに三陸沿岸でとれる海藻です。
三陸の特産品となっており、市場に出回ることは少なく、高級品として扱われています。
なお、河川や沼地に生えている水草で、金魚藻としておなじみの「マツモ」とは、種類がちがいますので、注意です。
5位
5位は、「あまのり(焼きのり)」です。7位の「干し海苔」を焼いたものが、こちらの焼き海苔になります。
スーパーなどの店頭でよく並んでいる、パリッとした海苔ですね。わたしたちの食卓に、もっとも馴染みのある海苔といえます。
4位
4位は「いわのり(素干し)」です。いわのり(岩海苔)は、アマノリ属の紅藻のうち、岩場に生息しているものの総称です。
鉄分のほかに、ビタミンKやビタミンB12などが豊富に含まれており、貧血予防などに効果的です。
3位
3位にランクインしたのは、「ひじき(干しひじき 鉄釜 乾)」です・・・が、こちらはちょっと注意が必要です。
干しひじきは14位にもランクインしていますが、今回3位にランクインしているひじきは、鉄釜で煮ているものです。
鉄釜に含まれる鉄が溶け出している分、ひじきの鉄分も多くなっているんです。
じつは、現在流通しているひじきは、ほとんどがステンレス製の釜で加工されています。
ステンレス製の釜で煮たひじきの鉄分含有量は、ランキング14位をご覧いただけるとわかるとおり、6.2mgです。鉄釜で煮たひじきの鉄分含有量と比べると、大きな違いがあることがわかります。
もし、鉄分を摂りたいという目的でひじきを買うときは、注意が必要です。
もっとも、ひじきは鉄分だけでなく、カルシウムや食物繊維が豊富な食材です。目的に合わせて、バランス良く献立に取り込みたいですね。
2位
2位にランクインしたのは、「かわのり(素干し)」です。
かわのり(川海苔)は、その名の通り、河川などに生息する淡水性の海藻です。
食用とされていますが、生息数が少なく、絶滅危惧種に指定されています。
1位
栄えある1位に輝いたのは、「あおのり(素干し)」です。あおのりは、アオサ科アオノリ属の海藻です。お好み焼きや、たこ焼きなどでおなじみですね。
鉄分だけではなく、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルや、ビタミンB12などが豊富です。
以上、10位から1位まででした。以下、TOP10ランキングをまとめて表にしました。ぜひ、振り返ってみてください。
順位 | 食品名 | 量(mg) |
10 | あまのり 味付けのり | 8.2 |
9 | 刻み昆布 | 8.6 |
8 | ほそめこんぶ 素干し | 9.6 |
7 | あまのり ほしのり | 10.7 |
6 | まつも 素干し | 11.1 |
5 | あまのり 焼きのり | 11.4 |
4 | いわのり 素干し | 48.3 |
3 | ひじき ほしひじき 鉄釜 乾 | 58.2 |
2 | かわのり 素干し | 61.3 |
1 | あおのり 素干し | 77.0 |
鉄分を効率的に摂るには?
鉄分には、大きく分けて2つの分類があります。ヘム鉄と非ヘム鉄です。
ヘム鉄は、肉や魚など、動物からとれる鉄分のことをいいます。一方、非ヘム鉄は、野菜や海藻など、植物からとれる鉄分のことをいいます。
じつは、体内で吸収されやすいのはヘム鉄のほうで、非ヘム鉄と比べると5倍程度、吸収率に差があるという報告もあります。
効率的に鉄分を摂りたいなら、肉や魚など、ヘム鉄を含む食品を食べるのがおすすめです。
・・・とはいえ、わたしたちが普段多く食べるのは、圧倒的に植物性食品、非ヘム鉄です。できるなら、少しでも効率的に鉄分を吸収したいところですよね。
じつは、非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ることで、吸収率が高まるんです。ビタミンCの多い野菜や果物と合わせて食べると、効率よく鉄分を吸収できます。
ビタミンCの多い野菜ランキングTOP10
ビタミンCの多い果物ランキング
また、今回ご紹介した海藻類のなかですと、海苔はビタミンCを多く含みますので、鉄分の摂取にはおすすめです。
まとめ
今回は、鉄分の多い海藻をランキング形式でご紹介しました。
鉄分は、貧血予防や疲労回復などに効果的な成分です。非ヘム鉄を含む植物性食品を摂るときは、ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が高まります。
今回ご紹介した海藻類をうまく献立に取り込んで、しっかりと鉄分を補給していきましょう!
鉄分をとりたいなら、こちらもおすすめです。
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