
あんずは、ほどよい甘味と酸味が人気で、ドライフルーツやジャムなどに使われています。
リンゴやバナナなどと比べると、流通量が少ないので、少しマイナーな果物かもしれません。
ですが、果物のなかでも、多くの栄養を含んでいる、メジャー級の食材なんです。
今回は、あんずに含まれる栄養成分や、効果・効能について紹介していきます!
もくじ
あんずの栄養成分と効果・効能
さっそくですが、あんずに含まれる栄養成分を見ていきましょう。
- リンゴ酸、クエン酸
- ブドウ糖、果糖
- βカロテン
- 鉄分
- カリウム
- 食物繊維
なかでも注目したいのが、βカロテンや鉄分の多さです。
果物のなかでも、トップクラスの含有量となっています。
とくに、干しあんずには、豊富な栄養成分が含まれています。
これから、注目したい栄養成分や、効果・効能について、詳しく見ていきましょう。
あんずにはβカロテンがたっぷり!美肌・アンチエイジングに
あんずの鮮やかなオレンジ色は、たっぷり含まれるβカロテンに由来しています。
βカロテンとは、植物などに含まれる天然の色素成分です。
にんじんのオレンジ色なども、同じくβカロテンによるものです。
あんずのβカロテン含有量は、果物のなかでもトップクラスです。
乾燥品を除くと、赤肉メロンに続いて2番目に多く含まれています。
なお、βカロテンの多い果物は、こちらの記事で紹介しています。
上のランキング記事を見ると、やはり黄色・オレンジ色の果物が多いですね。
βカロテンには、お肌の老化や、シミ・シワの原因となる活性酸素を、取り除く作用があります。
このため、美肌・アンチエイジングに効果的です。
また、βカロテンは、体内で必要分がビタミンAとなる成分です。
ビタミンAには、皮膚や粘膜を健康に保ったり、夜盲症を予防するはたらきがあります。
免疫力を高めたり、目の健康を維持したい方にもおすすめです。
あんずは、鉄分が豊富!貧血予防に
あんずは、果物のなかでも鉄分が豊富です。
とくに、乾燥させたあんず(干しあんず)の鉄分含有量は、野菜類トップクラスです。
可食部100gあたりの鉄分含有量(抜粋)
名称 | 含有量(mg) |
あんず(乾) | 2.3 |
ブルーベリー(乾) | 1.2 |
バナナ(乾) | 1.1 |
上の表のとおり、ドライフルーツのなかでも、あんずは鉄分量が多いです。
鉄分は、貧血の予防には欠かせない成分です。
不足すると、めまいや頭痛、だるさなどといった症状が出やすくなります。
とくに、女性に不足しがちな成分ですので、しっかりと補給していく必要があります。
鉄分豊富なあんずは、協力なサポートをしてくれるでしょう。
あんずには食物繊維たっぷり!便秘の改善に
干しあんずには、食物繊維もたっぷり含まれています。
食物繊維といえば、便秘の解消に効果的な成分です。
腸の動きを活発にして、便通を促してくれます。
なかでも、あんずには水溶性の食物繊維が多く含まれています。
水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるサポートをしてくれます。
腸内環境が整うと、体内の免疫力が高まったり、お肌の調子も良くなります。
あんずで疲労回復!エネルギー補給におすすめ
忙しくて疲れが溜まっているときは、おやつに干しあんずを食べるのがおすすめです。
あんずには、クエン酸やリンゴ酸といった、エネルギー代謝を促進させる有機酸が含まれています。
効率よくエネルギーを生み出してくれるので、疲労回復に効果的です。
また、あんずに含まれるブドウ糖は、吸収されやすいため、素早くエネルギー補給ができます。
頭を使いすぎたときの休憩おやつとしてもオススメです。
あんずの種子は、咳止めや、喘息の薬に
あんずは中国原産の果物で、紀元前の頃から栽培されていたといわれています。
中国では、古くから観賞用や薬用などに使われてきました。
漢方では、あんずの種子を干したもの(杏仁-キョウニン-)を、咳止めや喘息の薬として用いています。
ちなみに、「杏仁」と聞くと、杏仁豆腐を思い浮かべる方も多いと思います。
杏仁豆腐は、もともと薬膳料理の一種で、あんずの種子を服用しやすくしたものだったそうです。
今ではデザートとして定着していますが、もともとは薬膳として食べられていたんですね。
今では、本物の杏仁を使ったものは少なく、風味が似ているアーモンドエッセンスなどを使っているそうです。
あんずの栄養を、効率よく摂る方法は?
あんずに含まれる鉄分は、ビタミンCと一緒に摂ることで、吸収率がアップします。
ビタミンCが豊富な野菜や果物と合わせて、サラダなどにするのがおすすめです。
ちなみに、ビタミンCが多いのは、緑黄色野菜や果物です。
こちらの記事で、詳しく紹介しています
ピーマンやブロッコリー、いちごやキウイなどに多く含まれています。
また、βカロテンは、油と一緒に摂ると、吸収率が高まります。
サラダにする際は、油を含んだドレッシングをかけるのがオススメです。
また、こちらのレシピのように、オリーブオイルを使うのもいいですね。
にんじんと干しあんずのサラダ by 庭乃桃
まとめ
今回は、あんずの栄養成分や効果・効能について紹介しました。
βカロテンと鉄分の量が多く、美肌・アンチエイジングや貧血予防に効果的です。
また、ブドウ糖やクエン酸なども含まれるため、疲れたときのデザートにも適しています。
ジャムにしても美味しいですが、干しあんずをサラダにして食べるのもおすすめです。
女性にうれしい成分が多く含まれていますので、あんずを見かけたら、ぜひ手にとってみましょう!