
「キウイを食べると、舌がピリピリする」
「喉がイガイガして、なんだか不快」
そんな経験、ありませんか?
キウイといえば、甘酸っぱくて爽やかな味わい・・・のはず。
なのに、なぜか舌や喉がピリピリ、イガイガ、しびれる・・・
いったい、何が原因なのでしょうか?
痛みを和らげたり、予防する方法はあるのでしょうか?
今回は、キウイで舌がピリピリ、喉がイガイガする原因と対処方法について紹介します。
キウイで違和感を感じたときに、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
キウイで舌がピリピリ、喉がイガイガする原因は?
食事によって体に異変を感じた場合、多くの方が「アレルギー」を疑うと思います。
たしかに、食物アレルギーの可能性がありますが、キウイの場合、他の原因も考えられます。
ここでは、キウイのピリピリや痛みの原因3つについて紹介します。
たんぱく質分解酵素のアクチニジン
キウイで舌がピリピリする原因のひとつに、アクチニジンがあります。
アクチニジンとは、たんぱく質を分解する酵素です。
でも、なぜ「たんぱく質分解酵素」が、痛みの原因となるのでしょうか?
そのヒミツは、舌や喉の「粘膜」にあります!
わたしたちの舌や喉は、ヌルヌルの粘膜によって保護されています。
粘膜によってコーティングされていることで、あらゆる刺激から舌を守っています。
そして、この粘膜はたんぱく質で出来ています。
と、いうことは・・・
アクチニジンように、たんぱく質を分解する酵素を口にすると、粘膜が溶けてしまうのです。
舌を保護していた粘膜が溶けると、刺激を直接受けることになり、ピリピリとした痛みを感じやすくなるのです。
これらのフルーツを食べたあとに、舌や喉に違和感を感じた場合は、それぞれの果物が含む「たんぱく質分解酵素」が、原因として考えられます。
なお、キウイをヨーグルトに入れるときは、なるべく早く召し上がりましょう。
というのも、キウイのたんぱく質分解酵素は、牛乳やヨーグルトのたんぱく質を分解する際に、苦味成分を出してしまうそうです。
この酵素が牛乳中のたんぱく質を苦みのあるペプチドに分解するため、果物の熟れ具合にもよりますが、混ぜた直後から30分くらいたつと苦みが出てきてしまうのです。(ヨーグルトでも同様)
キウイをヨーグルトに入れたときや、ミルクシェイク、スムージーにしたときは、長時間放置しないように気をつけましょうね。
シュウ酸カルシウム
アクチニジンのほかにも、ピリピリ、イガイガの原因が考えられます。
それは、キウイに含まれるシュウ酸カルシウムという物質です。
シュウ酸カルシウムは、トゲトゲした形をしています。
このトゲトゲが、舌や喉に刺さると、ピリピリ、イガイガの原因となります。
余談ですが・・・
山芋や里芋を素手で触ったとき、手がかゆくなったことはありませんか?
これも、シュウ酸カルシウムのチクチクが原因なんです。
里芋で口や喉がピリピリ痛むときの対処法をまとめています
里芋を茹でるときは、たっぷりの水で!
ピリピリしたときは、ぬるま湯でゆすぎましょう。
症状が重い場合は、アレルギーの可能性も
アクチニジンやシュウ酸カルシウムが原因のケースは、すぐに症状が治まることが多いです。
特に重い症状ではないため、そこまで心配する必要はありません。
ただし、なかなか症状が治まらなかったり、舌や喉以外の部分にも、何らかの反応が出た場合は、アレルギーの可能性があります。
ひどいときには、吐き気や頭痛、下痢などといった症状が出ることもあります。
症状が重い場合は、病院で診察を受け、適切な治療を受けましょう。
とくに、ラテックスアレルギーをお持ちの方は、注意が必要です。
ラテックスアレルギーの方は、キウイフルーツによるアレルギー反応が起こりやすいそうです。
ラテックスアレルギー(ゴム製品に含まれているゴムの木のたんぱく質が原因物質となって起こる)の方は、キウイフルーツによるアレルギー反応が起こりやすいといわれております。この反応は、交差反応とよばれるもので、ラテックスとキウイに含まれるタンパク質が似かよっているために起こると考えられております。ラテックスアレルギーの方は特に注意が必要です。
キウイのピリピリ・イガイガの治し方や対処・予防方法
キウイを食べていて、舌や喉にピリピリ、イガイガとした痛みを感じたときの対処・予防方法について紹介します。
ピリピリ、イガイガを感じたときに、お試しください。
キウイを吐き出し、口の中を洗う
キウイを食べていて舌がピリピリしはじめたら、まずは口に含んだキウイを吐き出します。
飲み込んでしまった場合は仕方ないですが、口にまだ残っている場合は、飲み込まずに吐き出しましょう。
その後、口をゆすいで、きれいにします。このときおすすめなのが、熱いお湯やお茶です。
たんぱく質分解酵素は60~80℃くらいの温度で効果を失うといわれています。
熱めの飲み物を口に含むことで、粘膜に付いた分解酵素の効果が弱まり、痛みの改善が期待できます。
キウイを大きめに切る
シュウ酸カルシウムによる刺激は、キウイを細かく切ったり、砕いたりするほど高まると言われています。
キウイをピューレにしたり、ジュースなどにすると、痛みを感じやすくなります。
なので、シュウ酸カルシウムによる痛みを抑えたい場合は、なるべくキウイを大きめに切ることをオススメします。
キウイの品種をゴールドキウイにする
たんぱく質分解酵素は、緑色のグリーンキウイに多く含まれる傾向があるそうです。
一方、黄色いゴールドキウイには、あまり含まれていないそうです。
なので、ピリピリが気になる方は、ゴールドキウイを試してみるのもいいと思います。
まとめ
今回は、キウイで舌や喉に痛みを感じる原因と、予防・対処方法について紹介しました。
たんぱく質分解酵素のアクチニジンや、シュウ酸カルシウムなどが、舌の痛みの原因として考えられます。
また、症状が重い場合は、アレルギーの可能性があります。
この場合は、いちど病院でアレルギー検査を受けることをおすすめします。
痛みなどの違和感を感じたときは、キウイを吐き出し、熱いお湯やお茶で口をゆすぎましょう。
また、キウイを大きめに切ることで、シュウ酸カルシウムによる痛みが少なくなります。
キウイは、果物のなかでも、たくさんの栄養が含まれています。
それでも、無理に食べることは禁物です。
違和感を感じたときは、決して無理に食べないようにしましょう。
他の果物でも、ピリピリが起こる!?
キウイのほかにも、たんぱく質分解酵素を含む果物があります。
たとえば、パイナップルやメロンです。
ピリピリしたことのある方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。