
寒く厳しい冬が終わると、あたたかな春がやってきます。新生活をスタートさせる方も多く、1年で最も、希望にあふれる季節といってもいいでしょう。
でも・・・春といえば、花粉症ですよね。これさえなければ最高の季節なのに・・・と、何度思ったことでしょう。
花粉症対策と聞くと、マスクや目薬、点鼻薬などといったものを思い浮かべる方が多いと思います。
これらの対策も有効ですが、普段の食事でも、対策をすることはできるんです。
今回は、花粉症対策に有効なDHA・EPAと、それをたっぷりと含むマグロについて、ご紹介していきます。
もくじ
花粉症の原因
わたしたちを悩ませる花粉症ですが、どのようにして起こるのかを、知らない方は多いと思います。
花粉症対策をするうえでは、ぜひ知っておいたほうがよい知識ですので、ここでは簡単に説明していきます!
花粉症はアレルギー反応の一種です。アレルギー反応とは、ウイルスなどの異物から体を守ろうとする免疫反応です。
ところが、免疫機能に狂いが生じると、本来は悪さをしない花粉を「異物」と認識し、抗体をつくってしまうんです。
この抗体が一定量を超えると、ヒスタミンなどといった、アレルギー症状を起こす物質が放出され、鼻水などのアレルギー症状が出てしまいます。
「からだを守ろうとする動きが、過剰になってしまった状態」、これが、花粉症のおもな原因です。
花粉症にDHA・EPAが効く理由
では、なぜDHA・EPAが花粉症に有効なのでしょうか?
結論からいうと、DHA・EPAには、花粉症やアレルギーを引き起こす物質の量を減らすはたらきがあるといわれているためです。
炎症を引き起こす原因といわれる、ロイコトリエン類やプロスタグランジン類といった脂肪酸の生成を、DHA・EPAは抑制してくれるんです。
DHAとは?
DHAとは、正式名称「ドコサヘキサエン酸」といい、青魚に多く含まれる脂肪酸のことです。わたしたちの体内でさまざまなはたらきをしており、なくてはならない成分です。
ところが、それだけ重要な成分なのにもかかわらず、体内では、ほとんど作ることができません。このため、DHAは、食事などを通して補給するしかないんです。
なお、DHAのように、食事などで必ず補わなければならない脂肪酸のことを、「必須脂肪酸」といいます。
DHAには、アレルギー症状をおさえるはたらきのほかに、脳を活性化したり、血液をサラサラにするはたらきがあります。記憶力の向上や、生活習慣病予防などに効果的です。
EPAとは?
EPAは、正式名称「エイコサペンタエン酸」または「イコサペンタエン酸」といい、DHAと同じく、青魚に多く含まれる必須脂肪酸です。
なお、上で説明したDHAは、体内のEPAからつくられています。EPAをしっかりと補給することで、DHAも補うことができます。
EPAには、アレルギー症状をおさえるはたらきのほかに、血液をサラサラにしたり、中性脂肪やコレステロールを低下させるはたらきがあります。生活習慣病予防に効果的です。
DHAとEPAの違いは?
DHAとEPAは、ともに必須脂肪酸で、効果・効能も似ていることから、混同されがちですが、それぞれ異なる特徴があります。
脳内には、DHAのみ
DHAと違い、EPAは脳内にはほとんど存在しません。なぜかというと、脳の入り口には、血液脳関門と呼ばれるものがあり、脳にとって有害な物質をシャットアウトしています。
EPAは、この関門を通過できません。一方、DHAは、この関門を通過することができ、脳内にて神経細胞を活性化させるはたらきをしています。
血液サラサラ効果は、EPA
EPAには、血液中の血小板を固まりにくくするはたらきがあります。このため、血液がサラサラになるとともに、血栓の形成が抑制されます。
このような、血液をサラサラにする効果は、EPAのほうが、DHAよりも高いといわれています。
マグロにはたくさんのDHA・EPAが!
DHA・EPAは、青魚に多く含まれています。そのなかでも、マグロに含まれるDHA量は、魚介類トップクラスです。
以下の記事では、魚介類を対象にした、可食部100gあたりのDHA含有量ランキングを紹介しています。
そのなかで、「クロマグロ(本マグロ)」と「ミナミマグロ(インドマグロ)」が、それぞれ上位にランクインしているんです。
とくに、脂の乗った、いわゆる「トロ」の部分には多くのDHA・EPAが含まれています。
マグロの栄養と効能
これまで、マグロにはたくさんのDHA・EPAが含まれていることを紹介してきました。
DHA・EPAには、血液をサラサラにしたり、中性脂肪やコレステロールを低下させるはたらきがあり、生活習慣病予防に効果的です。
また、DHAには、脳を活性化させるはたらきがあり、お子さんの脳の成長や、大人の認知症予防などの効果が期待できます。
そして、花粉症の原因となる、アレルギー反応を抑えるはたらきがあるんでしたね。
・・・では、DHA・EPAの他には、どのような栄養が含まれており、どういった健康効果が期待できるのでしょうか。
ここでは、その他のマグロの栄養と効能について、ご紹介していきます。
良質なたんぱく質
たんぱく質は、筋肉や臓器、血液など、わたしたちの体を形成する多くの部位の原料となる成分です。
炭水化物、脂質とともに、三大栄養素として位置づけられており、毎日の食事でしっかりと摂る必要があります。
たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解された状態で吸収されます。アミノ酸は、疲労回復や肝機能改善など、わたしたちの健康を維持するためにさまざまなはたらきをしています。
とくに、わたしたちの体内では生産することができず、食事などで補う必要があるアミノ酸は、「必須アミノ酸」と呼ばれています。
この「必須アミノ酸」を、どれだけバランス良く含んでいるかを数値化した「アミノ酸スコア」という指標があります。
なんと、まぐろはアミノ酸スコアの上限値「100」をマークしており、とても良質なたんぱく質を含んでいるんです。
毎日の食事でしっかりと補給したいたんぱく質を、効率的に摂ることができます。
魚介類には、まぐろのように、良質なたんぱく質を含むものがたくさんあります。以下の記事では、たんぱく質を多く含む魚を紹介していますので、よろしければ、ぜひご覧ください!
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムと相性のよいビタミンです。カルシウムの吸収率を高めたり、カルシウムが骨に沈着するのをサポートするはたらきがあります。
カルシウムとともに、骨をじょうぶにする効果が期待できます。
ビタミンDを多く含む食品には、きのこ類や魚介類が挙げられます。それぞれ、多く含むものをランキング形式で紹介していますので、よろしければ、ぜひご覧ください!
ビタミンDの多いきのこ類ランキング
ビタミンDの多い魚ランキングTOP10
鉄分
マグロには、魚介類のなかでも多くの鉄分が含まれています。
マグロなど、動物に含まれる鉄分(ヘム鉄)は、植物に含まれる鉄分(非ヘム鉄)よりも吸収率が高く、効率的に補給ができます。
鉄分は、赤血球のヘモグロビンを構成する成分で、貧血予防に効果的です。また、同じく貧血予防に効果的なビタミンB12も、マグロには多く含まれています。
まとめ
今回は、マグロの栄養と効能を中心に、ご紹介しました。マグロに含まれるDHA・EPAには、花粉症の原因となるアレルギー反応をおさえる効果があります。
マスクや薬などといった花粉症対策に加えて、「食事にマグロを取り入れる」というのも、検討してみてはいかがでしょうか?
また、花粉症予防だけでなく、生活習慣病予防や脳の活性化など、多くの効能が期待できる食材です。
バランス良く食事に取り入れて、毎日を健康的に過ごしていきましょう!
花粉症対策には、↓こちらの記事もおすすめです。 花粉症に効く食べ物