菜の花の栄養と効能

菜の花といえば、春を代表する、鮮やかな黄色い花というイメージが強いと思います。一面に広がる菜の花畑は、とても明るくてきれいですよね。春の訪れを感じさせます。

観賞用としてだけではなく、食用としても、菜の花は楽しめます。おひたしや胡麻和えなどにすると美味しいですよね。

しかも、菜の花には、野菜のなかでもたくさんの栄養が詰まっているんです。

今回は、菜の花に秘められた栄養と効能を中心に、ご紹介していきます。

 

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菜の花とは?

「菜の花」は、じつはアブラナ科の植物の総称なんです。「菜の花」という特定の植物は存在しないんです。

アブラナ科の植物は、たくさん存在します。たとえば、キャベツ、白菜、チンゲンサイ、ブロッコリー、大根、などなど・・・。

一般的に、食用の菜の花といえば、なばな(菜花)を指すことが多いです。花が咲く直前の、つぼみ(花らい)のタイミングで食べます。

今回の記事も、菜の花=なばなという扱いで紹介しています。

菜の花の歴史

日本に菜の花が伝わったのは弥生時代といわれています。室町時代になると、菜種油の搾油法が広まり、貴重な油の原料として扱われてきました。

食用として本格的に楽しまれるようになったのは、明治以降といわれています。西洋種のなばなが輸入されるようになり、次第に食卓に並ぶようになりました。

菜の花の栄養と効能

それではさっそく、菜の花に含まれるおもな栄養成分と効能について、ご紹介していきます。じつは、野菜類のなかでも、豊富なビタミン・ミネラルを含んでいるんです。

βカロテン

菜の花(なばな)には、可食部100gあたり2200µgのβカロテンが含まれており、これは野菜類のなかでも多い部類に入ります。

βカロテンには強い抗酸化作用があり、活性酸素を分解することで生活習慣病などを予防する効果をもたらしてくれます。

また、βカロテンは体内で必要分がビタミンAとなります。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つはたらきがあり、免疫力の向上や、ドライアイの予防などに効果的です。

ビタミンC

菜の花(なばな)は、野菜類トップクラスのビタミンC含有量です。可食部100gあたり130mgのビタミンCが含まれており、これは青ピーマンやブロッコリーよりも多い量です。

 

可食部100gあたりのビタミンC含有量(mg)

和種なばな 花らい・茎 生 130
ブロッコリー 花序 生 120
青ピーマン 果実 生 76

(文部科学省ホームページの資料より引用)

 

ビタミンCは、美容によいビタミンです。コラーゲンの生成に関与し、ハリのあるお肌を維持するのに一役買っています。

また、シミ・ソバカスの原因となるメラニンの生成を抑えることで、美白効果が期待できます。

その他にも、免疫力を高めたり、ストレス耐性を高めたりなど、幅広い効果が期待できます。

 

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カルシウム

菜の花(なばな)に含まれるカルシウムは可食部100gあたり160mgで、これは春菊やチンゲンサイなどよりも多いです。

 

可食部100gあたりのカルシウム含有量(mg)

和種なばな 花らい・茎 生 160
しゅんぎく 葉 生 120
チンゲンサイ 葉 生 100

(文部科学省ホームページの資料より引用)

 

カルシウムは、骨や歯をじょうぶにするのに欠かせない成分です。子どもの成長や、大人の骨粗しょう症予防などに効果的です。

また、血液や細胞中に存在するカルシウムは、筋肉の収縮や神経伝達の正常化などに関与しています。

鉄分

菜の花(なばな)には、可食部100gあたり2.9gの鉄分が含まれています。じつは、ほうれん草よりも多いんです。

和種なばな 花らい・茎 生 2.9
こまつな 葉 生 2.8
ほうれんそう 葉 通年平均 生 2.0

 

鉄分は、赤血球中のヘモグロビンを構成する成分です。貧血予防には欠かせませんので、しっかりと摂るようにしましょう。

食物繊維

菜の花(なばな)には、多くの食物繊維が含まれています。可食部100gあたりに4.3g含まれており、これはかぼちゃやケールよりも多い含有量です。

 

可食部100gあたりの食物繊維含有量(g)

和種なばな 花らい・茎 ゆで 4.3
西洋かぼちゃ 果実 ゆで 4.1
ケール 葉 生 3.7

(文部科学省ホームページの資料より引用)

食物繊維のなかでも、不溶性食物繊維の割合が高くなっています。

不溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けない食物繊維で、胃や腸で水分を含んで膨らみます。

便のかさを増したり、腸の動きを活発にさせるので、便通の改善に効果的です。

また、満腹感が持続することから、ダイエット中にもおすすめです。

イソチオシアネート

イソチオシアネートは、アブラナ科の植物に含まれる辛味成分の一種です。わさびや大根おろしなどの、ツーンとする風味のもととなっている成分です。

血液をサラサラにしたり、がんを予防する効果があるといわれています。

まとめ

今回は、菜の花の栄養と効能を中心にご紹介しました。

食用のイメージがあまりないかもしれませんが、野菜類のなかでも豊富なビタミン、ミネラルなどの栄養を含んでいます。

春になると、菜の花畑がとてもキレイですよね。美しい菜の花を見たあとは、ぜひ菜の花料理も楽しんでみてください!

 

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