
ニラといえば、にんにくなどと同じように、食べるとパワーが出るイメージがありますよね。レバニラ炒めなどは、スタミナ料理の代表格です。
ちょっとにおいが強くて独特なので、好き嫌いが分かれる食材かもしれません・・・が、じつはニラのパワーの源は、その独特なにおい成分にあるんです。
もちろん、その他にも、豊富なビタミン、カルシウムなど、からだにやさしい成分が多く含まれています。
今回はスタミナ野菜の代表格、ニラについて、栄養と効能を中心にご紹介していきます。
もくじ
ニラの歴史
ニラの原産地は東アジア地域と言われています。中国やインド、ベトナムなどで、紀元前から栽培されていたそうです。
日本には、弥生時代に中国から伝わったといわれています。なんと、古事記や日本書紀といった古い文書にも、ニラについての記述があるとか。
野菜として本格的な栽培がはじまったのは、明治時代に入ってからで、一般家庭に普及したのは、戦後に入ってからといわれています。
ニラの栄養
ニラには、多くの栄養がバランスよく含まれています。なかでもβカロテンやビタミンKは、野菜類トップクラスの含有量です。
その他にも、ビタミンB群、食物繊維、カルシウムなどが比較的多く含まれています。
また、ネギ類特有のにおい成分であるアリシンの健康効果はすばらしく、さまざまな病気に対する予防効果が期待できます。
βカロテン
ニラには、βカロテンが豊富に含まれています。
◆可食部100gあたりのβカロテン含有量(ゆでたもの)
にんじん皮むき(ゆで) | 7200 µg |
にんじん皮付き(ゆで) | 6900 µg |
ほうれんそう(ゆで) | 5400 µg |
しゅんぎく(ゆで) | 5300 µg |
にら(ゆで) | 4400 µg |
参考:野菜ナビ 栄養成分表 βカロテン 主要野菜 , 日本食品標準成分表
βカロテンには抗酸化作用があり、体内で発生した過剰な活性酸素を除去するはたらきがあります。
このため、動脈硬化予防や老化防止など、さまざまな健康効果が期待できます。
また、βカロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。このため、βカロテンのことをプロビタミンAと呼ぶこともあります。
ビタミンAは、皮膚・粘膜の保護や、眼の機能を正常化するはたらきなどが期待できます。
ビタミンK
ニラに含まれるビタミンK含有量は、野菜類トップクラスです。
◆可食部100gあたりのビタミンK含有量(ゆでたもの)
しゅんぎく(ゆで) | 460 µg |
にら(ゆで) | 330 µg |
こまつな(ゆで) | 320 µg |
参考:野菜ナビ 栄養成分表 ビタミンK 主要野菜 , 日本食品標準成分表
ビタミンKは、血液を固めるはたらきがあります。ケガなどで出血したときに、血を固めて止血を促します。
また、ビタミンKは骨をじょうぶにするサポートをしてくれます。骨粗しょう症などの予防に効果的です。
食物繊維
ニラには、比較的多くの食物繊維が含まれています。食物繊維には、腸内環境を整えるはたらきがあり、便通の改善などの効果が期待できます。
アリシン
ニラって、独特の強いにおいがありますよね。これはアリシンと呼ばれる、ネギ類に共通して含まれる成分に由来しています。
アリシンにはかだらに良い効果がたくさんあります。
- ビタミンB1の吸収率向上
- 血栓ができるのを予防
- コレステロール値を下げる
- インスリン分泌の促進
- 殺菌作用
ニラの効能
豊富に含まれるβカロテンや、におい成分のアリシンに由来する効能が期待できます。疲労回復効果など、パワーをつけたいときに重宝したい食材です。
以下より、ニラの代表的な効能についてご紹介していきます。
疲労回復
ニラに含まれるアリシンには、ビタミンB1の吸収率を高めるはたらきがあります。
ビタミンB1は、食べ物などから摂取した糖質を、活動のためのエネルギーに変換するはたらきがあります。
活動エネルギーが不足すると、疲れやすくなったり、食欲がなくなったりします。暑い季節だと、夏バテのような症状になります。
アリシンは、摂取したビタミンB1の吸収を高め、さらにビタミンB1を体内に長く留まらせるはたらきがあります。
このため効率よくエネルギーが生産できるようになります。したがって、疲労回復や食欲増進などの効果が期待できます。
免疫力を高める
ニラに含まれるアリシンには強い殺菌作用があり、細菌などからからだを守るはたらきがあります。このため、感染症などの予防効果が期待できます。
また、ビタミンAには、鼻や口、のどの粘膜や、胃や腸の粘膜などを正常に保つはたらきがあります。このため、侵入してきたウイルスなどを入り口で撃退できる可能性が高まり、結果として免疫力の向上につながります。
老化防止・美肌効果
シワやたるみなどの原因のひとつに、細胞の酸化が挙げられます。
わたしたちの体内には活性酸素が存在し、通常は細菌などから体を守るはたらきをしてくれています。
ところが、紫外線やストレスなどで、この活性酸素が増えすぎてしまうと、細胞を錆びさせてしまいます。
細胞が錆びてしまうと、肌のハリや弾力が失われてしまい、シワやたるみなどが起きてしまうのです。
ニラに豊富に含まれるβカロテンには抗酸化作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去するはたらきがあります。
このため、シワやたるみなどの予防効果が期待できます。
動脈硬化予防
動脈硬化の原因のひとつに、活性酸素による、血中コレステロールの酸化が挙げられます。
酸化したコレステロールは異物とみなされ、免疫細胞のマクロファージがこれを取り込むのですが、次第に膨張していき、やがて死滅して泡沫細胞となります。
この泡沫細胞が血管内に蓄積することで、血管壁がもろくなり、血管の弾力性も失われて、動脈硬化へとつながっていくのです。
ニラに含まれるβカロテンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。コレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
また、ニラに含まれるアリシンには、血液が固まりやすくなることを防ぎ、血栓の形成を防ぐ効果が期待できます。
骨を強くする
ニラには、多くのカルシウムが含まれています。カルシウムは、骨や歯をつくる成分です。しっかりと摂取することで、骨粗しょう症などの病気の予防になります。
また、ニラにはビタミンKが豊富に含まれています。ビタミンKは、骨にあるたんぱく質を活性化させることで、カルシウムを骨に取り込みやすくするはたらきがあります。
このため、骨の形成を効率よくすすめることができます。
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便通の改善
ニラには、食物繊維が多く含まれています。食物繊維には、便をやわらかくし、腸の動きを活発にするはたらきがあります。このため、便通の改善効果が期待できます。
まとめ
[char no=”1″ char=”usa”]ニラには、豊富なβカロテンや、におい成分のアリシンなどに由来する効能が期待できます。[/char] [char no=”2″ char=”kuma”]疲労回復や免疫力向上とか、とにかくパワーがつきそうだね。[/char] [char no=”1″ char=”usa”]そうですね。疲れているときや、気力がわかないときなどに食べるのがおすすめです![/char]
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