
牡蠣は歴史のある食材です。紀元前の頃から、あらゆる地域で食用として親しまれてきました。
また、独特の風味は、多くの人を魅了しています。生で食べても美味しいし、カキフライにしても最高です。クセになる味わいです。
また、「海のミルク」と呼ばれるほど、栄養が豊富に詰まっているパワーフードです。
今回は、牡蠣について、栄養と効能を中心にご紹介していきます。
もくじ
牡蠣の歴史
牡蠣は古くから食べられており、ヨーロッパでは紀元前4世紀頃から養殖がはじまったと言われています。
日本でも、かなり古い時代から牡蠣を食べていた形跡が残っています。縄文時代の遺跡である中里貝塚からは、牡蠣の貝殻がたくさん出てきています。
養殖がはじまったのは室町時代で、安芸の国(広島県)より開始されたと言われています。
牡蠣の栄養
カルシウムや亜鉛、鉄などのマグネシウムが豊富です。また、栄養ドリンクで有名なタウリンなども多く含みます。
以下より、牡蠣の代表的な成分をご紹介していきます。
亜鉛
牡蠣には、すべての食品のなかでも、トップクラスの亜鉛含有量を誇ります。
亜鉛は、DNAやRNAの合成に関与したり、糖質・脂質・たんぱく質などの代謝を促したりと、わたしたちの健康に欠かせない成分です。
[char no=”1″ char=”usa”]亜鉛は、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まります。牡蠣にはレモン汁をかけることが多いですが、これは亜鉛の吸収を高めるよい食べ方なんです。[/char]カルシウム
カルシウムは、言わずと知れた、骨や歯をつくる成分です。丈夫な骨づくりには欠かせません。
また、血液や細胞内に含まれるカルシウムイオンは、神経刺激の伝達や筋肉の収縮などに関与します。
ただし、カルシウム単体だけだと、体内への吸収率がよくありません。ビタミンDを含む食材と一緒に摂ると吸収率が向上します。
牡蠣はビタミンDの含有量は多くありません。このため、ビタミンDを多く含む食材と合わせて調理するのがおすすめです。
[char no=”1″ char=”usa”]ビタミンDを多く含む食材には、きのこ類や鮭、イワシなどがあります。ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、油で調理すると成分が流出しにくいです。[/char]鉄
牡蠣には鉄分が豊富に含まれています。鉄は赤血球の生成に必要な成分で、体内の酸素運搬に重要な役割を果たします。
タウリン
タウリンは、栄養ドリンクにも含まれる成分です。疲労回復や高血圧予防、コレステロール値の上昇抑制など、さまざまな効果が期待できます。
牡蠣の効能
豊富な亜鉛や鉄、タウリンなどに由来する効能が期待できます。
以下より、牡蠣の代表的な効能についてご紹介していきます。
肝機能の改善
牡蠣に含まれるタウリンには、胆汁酸の分泌や肝細胞の再生促進、細胞膜の安定化といったはたらきがあります。
このため、肝臓が担っている栄養素の代謝などのはたらきが強化されます。
タウリンにはほかにも、肝臓に溜まった中性脂肪を減らしたり、アルコールの分解を促進するはたらきがあります。
このため、脂肪肝の予防や二日酔いの予防効果が期待できます。
高血圧予防
牡蠣に含まれるタウリンには、高血圧を予防するはたらきがあります。
血圧が上昇する理由のひとつに、交感神経の緊張があります。交感神経とは、興奮したり、緊張しているときに活発になる神経です。
交感神経が優位になると、ノルアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、血圧が上昇してしまいます。
タウリンにはノルアドレナリンの分泌を抑え、交感神経の緊張をやわらげる効果があります。そのため、血圧の収縮が抑えられ、血圧が通常に戻るのです。
コレステロール値を下げる
健康診断が近づくと、コレステロール量を気にするようになる方は多いと思います(私もそうです・・・)。
コレステロールは、肝臓で胆汁酸となり、代謝されます。タウリンは、コレステロールと結びつき、胆汁酸の生成を促進します。
つまり、タウリンを摂取することで、胆汁酸となるコレステロールの量が増えるということです。
結果的に、血中のコレステロール量が減少するため、コレステロール値の低下につながります。
新陳代謝の促進
牡蠣に豊富に含まれる亜鉛には、DNAやRNAの複製や、たんぱく質などの合成を促します。このため、新陳代謝には欠かせない成分です。
成長期の子どもの場合は、細胞分裂を促進して新しい細胞が生み出されるため、発育が進みます。
大人の場合でも、細胞の再生が盛んになるため、お肌や胃腸などが整います。
味覚を正常にする
わたしたちが味を感じ取るのは、舌の表面にある味蕾(みらい)といわれる部分です。
味蕾は、とても短い期間で新しい細胞と生まれ変わります。ところが、この再生がうまくいかず古い細胞が残ってしまうと、味覚が鈍ってしまいます。
亜鉛が細胞分裂を促進することは、先ほどご紹介しましたが、味蕾の細胞分裂についても、亜鉛はサポートしています。
健康を保つためには、食事をおいしく、楽しく摂ることが必要不可欠です。正常な味覚を維持するためにも、亜鉛の摂取は大切です。
貧血予防
牡蠣には、鉄が豊富に含まれています。鉄は赤血球の材料となります。赤血球は、肺で受け取った酸素を、体全体に送り届けるはたらきをします。
鉄が不足すると、血液中の赤血球量が減少し、酸素がじゅうぶんに行き届かなくなるため、めまいや動悸、息切れや疲労感など、貧血の症状があらわれます。
骨を強くする
牡蠣にはカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯をつくる主な成分です。
しっかり摂取することで骨を強くすることができます。骨粗しょう症などの予防に効果的です。
ただし、カルシウム単体だと、体内への吸収率が低いため、ビタミンDを含む食品などと合わせて摂取するのがおすすめです。
まとめ
[char no=”1″ char=”usa”]牡蠣は「海のミルク」と言われるくらい、栄養が詰まった食べ物です。亜鉛や鉄、カルシウムなどが豊富です。[/char] [char no=”2″ char=”kuma”]骨をつよくしたり、成長を促したり、コレステロールや血圧を下げたり・・・これは昔から重宝されるわけだ。[/char] [char no=”1″ char=”usa”]なお、レモン汁など、ビタミンCと一緒に摂ると、亜鉛の吸収率が高まるので、おすすめです。[/char]