
ほうれん草と聞いて思い出すのが、アメリカ生まれのキャラクター「ポパイ」です。ほうれん草を食べると、ものすごいパワーを発揮して、あらゆる困難を乗り越えてしまいます。
そんなポパイの活躍を見るたびに、「ほうれん草ってすごいんだなぁ」なんて思ったものです。
では、実際のほうれん草には、そこまでのパワーが秘められているのでしょうか。結論から言うと、バッチリ秘められています!
今回は、ほうれん草について栄養と効能を中心にご紹介していきます。
もくじ
ほうれん草の歴史
ほうれん草の原産地は西アジアと言われており、ペルシャ地域(現在のイラン周辺)で栽培され始めたそうです。
その後、シルクロードを通って、西はヨーロッパ、東は中国へと広まっていきました。
日本には、江戸時代に中国から伝わったと言われています。
ほうれん草の栄養
ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、紹介しきれないくらいです。まちがいなく野菜類トップクラスの栄養満点フードです。
以下より、ほうれん草に含まれる代表的な成分をご紹介していきます。
βカロテン・ビタミンA
ほうれん草はβカロテンが豊富で、野菜類トップクラスの含有量です。
◆可食部100gあたりのβカロテン含有量(ゆでたもの)
にんじん(ゆで) | 7200 µg |
ほうれん草(ゆで) | 5400 µg |
春菊(ゆで) | 5300 µg |
参考:野菜ナビ 栄養成分表 βカロテン 主要野菜 , 日本食品標準成分表
βカロテンには抗酸化作用があり、活性酸素を除去するはたらきにより、さまざまな病気の予防効果が期待できます。
また、βカロテンは体内において、必要な分だけビタミンAに変換されます。ビタミンAには、皮膚や呼吸器・消化器の粘膜を保護するはたらきがあります。
ビタミンC
ほうれん草には、多くのビタミンCが含まれています。ビタミンCは、お肌をつくるコラーゲンの生成を促進したり、免疫力の向上やストレス耐性の向上に効果が期待できる成分です。
ビタミンK
ほうれん草は、野菜類トップクラスのビタミンK含有量です。
ビタミンKは、血液を固めるはたらきがあります。ケガなどで出血したときに、血を固めて止血を促します。
また、ビタミンKは骨をじょうぶにするサポートをしてくれます。骨粗しょう症などの予防に効果的です。
鉄分
ほうれん草は鉄分が豊富で、野菜類トップクラスの含有量です。鉄分は赤血球の生成に必要な成分で、体内の酸素運搬に重要な役割を果たします。
カリウム
ほうれん草はカリウムも豊富です。カリウムは、体内の細胞浸透圧の調整を担っています。余分なナトリウムの排出を促進するはたらきがあります。
葉酸
ほうれん草は葉酸も豊富です。葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の合成や、DNAなどの遺伝物質を構成している核酸の合成など、血液に関するはたらきが多いです。
[char no=”1″ char=”usa”]葉酸は、ほうれん草の葉から発見された物質なんです![/char]食物繊維
食物繊維は、腸内環境を整え、便通の改善などに効果的です。ほうれん草は、食物繊維を多く含んでいます。
ほうれん草の効能
「ほうれん草の栄養」で紹介したとおり、ほうれん草にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。これらに由来する多くの健康効果が期待できます。
以下より、代表的な効能をご紹介していきます。
免疫力の向上
ほうれん草にはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは、わたしたちの体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、わたしたちの皮膚や、鼻・のど・口などの粘膜、胃や腸の粘膜を正常に保つはたらきがあります。
このため、ウイルスが侵入してきても、入り口の粘膜で撃退できる可能性が高くなり、結果として免疫力の向上につながります。
また、ほうれん草に含まれるビタミンCは、白血球など免疫細胞の活動維持や活性化などに関与し、免疫力を高めるサポートをしてくれます。このため、風邪の予防など、さまざまな病気の予防効果が期待できます。
ストレスに強くなる
わたしたちは、ストレスを感じると、副腎からアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを分泌し、ストレスに対抗しようとします。
ほうれん草に含まれるビタミンCは、このホルモンを生成する際に必要な成分です。不足すると、イライラしやすくなってしまう可能性があります。しっかりと摂取して、副腎機能を維持していきましょう。
美肌効果
ほうれん草にはビタミンCが含まれており、お肌のハリをキープするのに必要なコラーゲンの生成を促進します。
また、ビタミンCやβカロテンには抗酸化作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去するはたらきがあります。
このため、シワやたるみなどの予防効果が期待できます。
さらに、ビタミンCにはシミやソバカスの原因となるメラニンを抑えるはたらきもあり、美しい肌を保つ効果が期待できます。
動脈硬化予防
動脈硬化の原因のひとつに、活性酸素による、血中コレステロールの酸化が挙げられます。
酸化したコレステロールは異物とみなされ、免疫細胞のマクロファージがこれを取り込むのですが、次第に膨張していき、やがて死滅して泡沫細胞となります。
この泡沫細胞が血管内に蓄積することで、血管壁がもろくなり、血管の弾力性も失われて、動脈硬化へとつながっていくのです。
ほうれん草に含まれるβカロテンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。コレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
高血圧予防
ほうれん草に豊富に含まれるカリウムは、体内の細胞内において、ナトリウムと協力して浸透圧を調整するはたらきをします。
塩分(ナトリウム)の過剰摂取などで体内のナトリウム濃度が上昇すると、浸透圧のバランスが乱れ血圧が上昇します。
カリウムには、過剰なナトリウムを排出して浸透圧のバランスを保つはたらきがあり、血圧を下げる効果が期待できます。
貧血予防
ほうれん草には、鉄・葉酸が多く含まれています。
鉄は、赤血球の材料となります。赤血球は、肺で受け取った酸素を、体全体に送り届けるはたらきをします。また、葉酸は、赤血球などの細胞分裂を促すことで、赤血球を作るサポートをしています。
鉄や葉酸が不足すると、血中の赤血球量が減少し、酸素が十分に行き届かなくなるため、めまいや動悸・息切れ、疲労感など、貧血の症状が起こります。
なお、鉄は体内で吸収されにくい成分ですが、ビタミンCと一緒に摂取すると、吸収率が向上します。
ほうれん草はビタミンCも多く含んでいるため、鉄を吸収しやすく、貧血予防に適した食材といえます。
便通の改善
ほうれん草には、食物繊維が多く含まれています。とくに、不溶性食物繊維の割合が高いです。
不溶性食物繊維には、便をやわらかくし、腸の動きを活発にするはたらきがあります。このため、便通の改善効果が期待できます。
まとめ
[char no=”1″ char=”usa”]ほうれん草は、たくさんの栄養が詰まったパワーフードです。ビタミンや鉄分など、野菜類トップクラスの含有量を誇ります。[/char] [char no=”2″ char=”kuma”]ポパイがほうれん草をチョイスしたのには、ちゃんとした理由があったんだね。[/char] [char no=”1″ char=”usa”]そうですね。免疫力向上や貧血予防など、さまざまな効果が期待できます。[/char]