
小松菜は、アクが少なくあっさりとした味わいで、色々な料理に合う食材です。鮮やかな緑色も美しく、料理の見た目に彩りを添えてくれます。
また、ビタミンやミネラルなどの栄養も豊富で、健康によい食材です。
今回は、小松菜について、栄養と効能を中心にご紹介していきます。
もくじ
小松菜の歴史
小松菜の原産地は南ヨーロッパの地中海沿岸と言われています。
日本には、江戸時代初期に、東京都江戸川区小松川付近で栽培され始めたそうです。
ちなみに、「小松菜」という名前は、江戸幕府8代将軍、徳川吉宗が名付けたと言われています。
鷹狩りのために小松川に訪れた際に献上された葉物を、地名にちなんで「小松菜」と命名したそうです。
小松菜の栄養
小松菜には、βカロテンとカルシウムが豊富に含まれています。その他にも、ビタミンCやビタミンE、カリウムや鉄分といった栄養素も多く含まれています。
以下より、小松菜に含まれる主な成分を紹介していきます。
βカロテン(ビタミンA)
βカロテンは、わたしたちの体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。このため、プロビタミンAとも呼ばれています。
ビタミンAには、皮膚や体の粘膜を保護したり、夜盲症を予防する効果が期待できます。
また、変換されずに残ったβカロテンには抗酸化作用があり、過剰な活性酸素を除去することで多くの健康効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCには、ハリのあるお肌をキープするのに必要な、コラーゲンの生成を促進します。
ほかにも、免疫力を高めたり、ストレス耐性を向上させる効果が期待できます。
ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があります。過剰な活性酸素を除去するはたらきがあり、動脈硬化や老化防止など、さまざまな病気の予防・改善が期待できます。
カルシウム
小松菜は、野菜類のなかでもカルシウム含有量がトップクラスです。
◆可食部100gあたりのカルシウム含有量(生のもの)
ほうれん草 | 49 mg |
春菊 | 120 mg |
小松菜 | 170 mg |
参考:日本食品標準成分表
同じ葉物のほうれん草や春菊と比べると、含有量の多さがハッキリとわかると思います。
カルシウムは、骨や歯をつくる成分です。じょうぶな骨をつくるためには欠かせません。他にも、イライラやストレスを抑えるはたらきもあります。
ただし、カルシウム単体だけだと、体内への吸収率がよくありません。ビタミンDやマグネシウムを含む食材と一緒に摂ると吸収率が向上します。
小松菜にはマグネシウムが含まれますが、可食部100gあたり12mgと、そこまで多く含まれているわけではありません。
ビタミンDやマグネシウムなどを多く含む食材と合わせて調理するのがおすすめです。
[char no=”1″ char=”usa”]ビタミンDを多く含む食材には、きのこ類や鮭、イワシなどがあります。ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、油で調理すると成分が流出しにくいです。[/char]鉄
鉄といえば、ほうれん草のイメージがありますが、実は含有量は小松菜のほうが多いです。
◆可食部100gあたりの鉄含有量(生)
ほうれん草 | 2.0 mg |
小松菜 | 2.8 mg |
参考:日本食品標準成分表
鉄は、血液中のヘモグロビンの成分として、酸素の運搬に協力しています。貧血予防に効果的な成分です。
カリウム
小松菜には、比較的多くのカリウムが含まれています。カリウムは、細胞内において浸透圧の調整をする役割を担っています。
小松菜の効能
豊富に含まれるカルシウムや鉄、カリウムなどのミネラル成分や、ビタミンに由来する効能が期待できます。
免疫力を高める
小松菜にはβカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは、わたしたちの体内で必要な分だけビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、わたしたちの皮膚や、鼻・のど・口などの粘膜、胃や腸の粘膜を正常に保つはたらきがあります。
このため、ウイルスが侵入してきても、入り口の粘膜で撃退できる可能性が高くなり、結果として免疫力の向上につながります。
また、小松菜に含まれるビタミンCは、一部免疫細胞の活動維持や活性化などに関与し、免疫力を高めるサポートをしてくれます。このため、風邪の予防など、さまざまな病気の予防効果が期待できます。
骨を強くする
小松菜にはカルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは、骨や歯をつくる主な成分です。
しっかり摂取することで骨を強くすることができます。骨粗しょう症などの予防に効果的です。
ただし、カルシウム単体だと、体内への吸収率が低いため、ビタミンDを含む食品などと合わせて摂取するのがおすすめです。
美肌効果
小松菜にはビタミンCが含まれており、お肌のハリをキープするのに必要なコラーゲンの生成を促進します。
また、ビタミンCやビタミンE、βカロテンには抗酸化作用があり、細胞にダメージを与える活性酸素を除去するはたらきがあります。
このため、シワやたるみなどの予防効果が期待できます。
さらに、ビタミンCにはシミやソバカスの原因となるメラニンを抑えるはたらきもあり、美しい肌を保つ効果が期待できます。
動脈硬化予防
動脈硬化の原因のひとつに、活性酸素による、血中コレステロールの酸化が挙げられます。
酸化したコレステロールは異物とみなされ、免疫細胞のマクロファージがこれを取り込むのですが、次第に膨張していき、やがて死滅して泡沫細胞となります。
この泡沫細胞が血管内に蓄積することで、血管壁がもろくなり、血管の弾力性も失われて、動脈硬化へとつながっていくのです。
小松菜に含まれるβカロテンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。コレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化を予防する効果が期待できます。
高血圧予防
小松菜に含まれるカリウムは、体内の細胞内において、ナトリウムと協力して浸透圧を調整するはたらきをします。
塩分(ナトリウム)の過剰摂取などで体内のナトリウム濃度が上昇すると、浸透圧のバランスが乱れ血圧が上昇します。
カリウムには、過剰なナトリウムを排出して浸透圧のバランスを保つはたらきがあり、血圧を下げる効果が期待できます。
ストレスに強くなる
わたしたちは、ストレスを感じると、副腎からアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを分泌し、ストレスに対抗しようとします。
小松菜に含まれるビタミンCは、このホルモンを生成する際に必要な成分です。不足すると、イライラしやすくなってしまう可能性があります。
しっかりと摂取して、副腎機能を維持していきましょう。
また、小松菜に豊富に含まれるカルシウムには、イライラを沈める成分が含まれています。血中に含まれるカルシウムイオンには、神経の興奮などを緩和し、イライラを抑えるはたらきがあります。
貧血予防
小松菜には、鉄が多く含まれています。
鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンを構成します。ヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を、体全体に送り届けるはたらきをします。
鉄が不足すると、血中のヘモグロビン量が減少し、酸素が十分に行き届かなくなるため、めまいや動悸・息切れ、疲労感など、貧血の症状が起こります。
鉄は体内で吸収されにくい成分ですが、ビタミンCと一緒に摂取すると、吸収率が向上します。
小松菜はビタミンCも多く含んでいるため、鉄を吸収しやすく、貧血予防に適した食材といえます。
調理のポイント:生で食べよう
小松菜は、アクが少なく、さっぱりとした味わいで、生で食べても美味しいです。もちろん、茹でて食べるのも美味しいですが、ビタミンCなどが流出してしまいます。
豊富な栄養をムダなく摂りたい場合は、生のまま食べるか、サッと茹でるだけにして食べることをおすすめします。
まとめ
[char no=”1″ char=”usa”]小松菜は、同じ葉物のほうれん草と比べると、全体的な栄養価は少ないです。しかし、カルシウムや鉄分はほうれん草よりも多く、栄養豊富な食材であることは間違いありません。[/char] [char no=”2″ char=”kuma”]ほうれん草には少し劣るけど、βカロテンやカリウム量なんて、かなりのものだよね。[/char] [char no=”1″ char=”usa”]そうですね。これらの豊富な成分に由来する効能も素晴らしいです。骨を強くしたり、動脈硬化や貧血予防など、多くの効果が期待できます。[/char]